《二つの空隙 三つの床》
この住まいの敷地は、三方が道路・水路、そして神社の祠に面して開放された、恵まれた立地です。唯一南側のみが家屋が隣接し、建ち塞がっています。
住まいの計画に際して、その南側に平屋で浴室・洗面脱衣・便所のサニタリーゾーンを一列に配し、上部を日照を取り入れるためのオープンスペースとしています。その屋外のオープンスペースに続いて、もうひとつのオープンスペースを屋内に吹抜として設け、このふたつの空隙により室内を光で満たしました。
1階の団欒の空間と2階の就寝の空間とは、いずれもワンルームの開放的なつくりとし、それらは南側の吹抜を通じて上下に繋がります。さらに、中間階としてスキップ状に設けたデスクスペースが上下の階のそれぞれと立体的につながり合い、3つのフロアは立体的なコの字型につながっていきます。
スキップ階のデスクスペースに置かれた3つの赤いチェア-は、ナチュラルな色彩の室内に一気に彩りを添え、空間が生き生きと息づき始めました。
1階のしな合板で製作された二列型のキッチンは、ゆったりとしたサイズの流しカウンターがアイランド状に設置され、奥様と3人のお嬢様に囲まれて、賑やかな調理の時間と空間をうみだしてくれるでしょう。